福祉施設

今江こども園

竣工 2025年 2月
分類 福祉施設
所在地 石川県小松市今江町
規模 鉄骨3階
延べ面積 約1,700㎡

設計主旨
-はじめに-
今江こども園は、「読書教育」に力をいれており、いつでも、どこでも絵本に触れあうことが出来る環境づくりをしています。一日3回の読み聞かせをしており、自然と子ども達は本が好きになっています。
毎年100冊以上の本を購入しているため2000冊以上の本を所有しており、先生方の創意工夫により分類された絵本が、子ども達の日々を楽しませています。
絵本を読むことが楽しくなるような建築空間の創造や、今江こども園の秀でた特徴をさらに活かした空間づくりを目指します。

-計画敷地-
計画敷地は「IRいしかわ鉄道線」に面しています。
周辺には「今江春日神社」「今江城跡」「木場潟」「白山連邦」と特徴的な風景が広がっており、一年を通して自然・四季を感じることができます。
また、線路に面しているため、子供たちの大好きな電車を身近に感じることができ、晴れやかな子供たちの笑顔と広大な白山連峰のパノラマが展開する敷地です。

-計画-
〈絵本〉
玄関を入ると、「えほんの木」に囲まれる「えほんの森」や、たくさんの絵本が暮らす「えほんのおうち」が園児たちを迎え入れ、本との出会いを促します。
丘をイメージしたベンチ、木をイメージしたオブジェは、異年齢交流や親子での読み聞かせ等、多様なアクティビティを想定し、絵本の世界観に没頭できるような空間とします。

〈配置〉
園児は午睡を行うため、園舎をなるべく線路から離し、しっかりと眠れるように計画しています。
園舎を線路から離すことで、まとまった大きな園庭の確保や、職員駐車場と送迎用駐車場の明確化により、利用しやすい計画としています。
園庭は線路に面する計画としたため、園児たちの大好きな電車をじっくりと見ることができます。
保護者と先生方の駐車場を別に作り、さらに保護者の駐車場を園の前に設置したことで、送迎での混乱を防ぎ、園児の安全にも配慮しました。

〈外観〉
シンボルである白山の勾配に合わせた切妻屋根とし、地域の原風景に馴染む屋根の計画とします。
正方形の窓をランダム配置し、リズミカルなファサードとし登園したくなるようなわくわく感を演出します。
2階の遊戯室の遮光版は、絵本の「くれよんのくろくん」のクレヨンの色をイメージしたカラフルなものです。

〈平面等〉
各保育室・職員室・遊戯室・共有エリアを使いやすいように、しっかりと分けて計画しています。
2歳児以上は2クラス合同での活動があるため、クラスの間の間仕切りを開放し、1つのクラスとして活動できるよう計画しています。
新しく、内アトリエを外アトリエに面するように設け、絵本を読んで育まれた感性を思いっきり表現できるような空間を設けます。
また、庇を2m出しているため、直射日光が保育室に入るのを防ぐともに、強い日光を気にせず日影でプール遊び等もできるように計画しています。