その他
柏野防災コミュニティセンター
竣工 | 2024年 3月 |
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分類 | その他 |
所在地 | 石川県白山市 |
規模 | 鉄骨造平屋建て |
延べ面積 | 540㎡ |
-背景-
白山市下柏野町にある前公民館は、昭和56年以前に建設された旧耐震基準であり、築40年以上が経過した建築物であったため、この度、十分な耐震強度と防災施設機能を付与した新たな「コミュニティセンター」を建て替える計画となりました。
公民館として、継続して行われる活動や新たなニーズに対応する為の会議室や調理実習室、多目的ホール、事務所機能をおさえるだけでなく、2次防災避難施設としての機能(自家発電施設、防災備蓄倉庫、マンホールトイレ、EV車両充電等)を兼ね揃え、地域住民の日常と非常時にも寄り添う施設となっています。
-デザイン-
計画敷地の地域には、白山市指定無形民俗文化財に登録されている「柏野じょんがら踊り」というお盆祭りに披露される伝統的な踊りがあります。その「柏野じょんがら踊り」という柏野町にとっての誇り・文化を建築の外装内装のデザインモチーフに採用することで、柏野町という地域らしさを建築で体現し、愛着・親しみを持ってもらえるように配慮して計画しました。
外装としては、一つの大きな切妻屋根に別の屋根をエントランス上部に架け、出入り口の視認性を明確する機能面と、踊りにかぶる笠をイメージした意匠性を兼ねています。ほかにも、町の周辺の田園風景や住宅群との景観に配慮した配色計画や仕上げ素材を選定して設計しています。
また、内装には、木目調の温かみやモルタル調のシックなアクセントをバランスを考慮しながら検討して、従来の公共施設の堅いイメージを和らげ、居心地に配慮した設計としています。内装サインにも「柏野じょんがら踊り」を採用し、4つの踊りのモチーフを盛り込み、各諸室や男女トイレの識別も兼ねて、散りばめたサイン計画としています。
-今後-
これまで通りの地域の憩い・交流の場としての活動から、新たに料理教室や文化祭の開催、隣接する公園でのお祭りとの連携まで、新設された本建物を通じて地域コミュニティがより一層活気づき、深まっていく事を願っています。