金澤東山しつらえ

【リノベーション】

敷地は国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されているひがし茶屋街の玄関口に位置します。
建物においては金沢市の保存建造物として指定されており建物の外観保全や、内外共に歴史的環境への調和が強く求められました。
改修計画を進めるあたり過去のアーカイブの確認と現地で照合を行う調査を繰り返しました。
本建物の歴史性と茶屋建築の意匠的特徴を保存し過去の改修の名残を尊重し、
新旧の境界を明確とすることで和の雰囲気をそのまま活かした空間を目指しました。

改修では玄関大戸の復元や外壁の弁柄柿渋の塗直し等、当時の姿に戻す「外観の復元」や、段差を無くし見通しを確保する商業的「動線の見直し」、老朽化した設備機器を更新する「設備機能の改善」と3つの項目に分け、何度も現地に足を運び解体の状態を確認しながら工事を進めました。
立地の特性上、観光向けに「金沢・東山」を大々的に表現する商業空間が多い中で本建物は歴史的建築物の表現について特に協議を重ねました。
今回の改修工事が過去のアーカイブからインスピレーションを受けたように今回の改修内容も後に将来へ引き継がれることを期待しています。

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