金沢楽器

【概要】
金沢の繁華街に音楽を楽しむ練習スタジオと楽器店の店舗を新築した。敷地はウナギの寝床のような長屋の形状で、そこにピアノ教室や、学生からプロの演奏家までが演奏の練習に利用する貸しスタジオと、楽器店舗、修理室といった機能を叶えながら、かつコスト面も配慮して木造３階建ての計画とした。

【外観デザイン】
周辺は寺町の寺院群や長屋も残る町のため、景観に配慮して外観は落ち着きのある配色としながら、楽譜の五線譜のような水平ラインの陰影を出すため鎧張り調の板金仕上げとした。張り出した開口からは金管楽器が光り、夜になるとネガポジ反転のように内部が明かりとともに外に漏れ出し、ディスプレイ自体がピクチャーウィンドウのように楽器店であることを強調する看板の役割を持たせている。

【構造デザイン】
敷地形状が奥行きは１５ｍあるが間口が４ｍを切る程しかないため、構造的にバランスが取りにくい建物の形状なる点と、敷地奥にある広見的空間は居室として確保したいという思いから、間口の狭い空間で階段などを含めた動線スペースをコンパクトに納めるための構造的工夫とプランの検討を重ね実現した。
また、今回は施行令１３６条の２項を基に、特殊な造りの木造３階建てを採用し,敷地条件と計画規模など条件が重なったことで、類を見ない木造建築物を実現することができた。

楽し気な音楽と、楽器と店舗の輝きが町に新たな賑わいをもたらすことを願って計画した。

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