教育施設
北陸大学太陽が丘キャンパス4号棟
竣工 | 2022年 12月 |
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分類 | 教育施設 |
所在地 | 金沢市太陽が丘 |
規模 | 鉄骨造3階建て |
備考 |
月刊「近代建築」2023年7月号掲載 |
設計主旨
「大学の新たな顔として」
敷地は金沢市の医王山麓に位置し、四季折々の豊かな自然に囲まれた広大な太陽が丘キャンパス内にあり、医療保健学部理学療法学科の新設に伴い増築した教育・研究施設棟の計画です。
隣接する太陽が丘3号棟(2017弊社設計)と光庭を介し渡り廊下で接続させ二棟が一つの建物のように連携を図るように計画しました。正面性を持たせたファサードとしキャンパス景観として色調の連続性と意匠・形態の統一を図り意匠を継承した施設外観としました。
「新たな学びの場所」
二棟の中心となるCROSS HALLは、学生ホールとして見晴らしの良い丘の上に配置し各学部の学生や教職員、学外からの参加者が交わる「交差する空間」として、多様な学びの場を提供し、各種イベントに対応する開かれた空間としました。
内部の折り紙のように展開する壁は豊かな太陽が丘の眺望を最大限に取り込みます。壁の形状はBIMによるシミュレーションを行い、夏場の直射日光の遮断し冬場は採光を取り込む形状としています。
「研究施設として」
各階には講義室、実習室、セミナー室を配するほか、理学療法に関わる先端的研究を実践するための環境を整備した実験研究室を設置しています。
「構造」
構造は研究施設としての多様的な使用に対応できるような柱スパンを採用し、建物内の柱が極力少なくなる配置計画で中廊下型の明解な空間構成は学生の移動距離の縮減を考慮し、経済性や将来の機能転換への対応力を見越したものとしています。
「将来を見越しながら既存のキャンパス景観に溶け込む」
キャンパス景観として全体が調和した豊かな街並みのように違和感なく溶け込んでいくことを目指し、既存校舎の色彩や素材を取り入れたカラーブロックとしました。水平を強調した庇、日差しを調整する縦ルーバーはシンプルな建物構成に対し陰影や変化を与え金沢らしさを取り入れています。太陽が丘4号棟はキャンパスのシンボルである松雲記念会館(2015弊社設計)と共に大学の未来へつなぐデザインとなることを目指しました。